どうして歯周病になるの?

歯周病というのは、文字通り歯を支える周辺の組織(歯周組織)に起こる病気です。

歯周組織は、歯肉(歯ぐき)と歯槽骨(歯を支える骨組織)、歯根(歯の根元)を覆うセメント質、歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜からなっていて、歯を正しい位置にしっかりと固定する役割を担っています。

 

この歯周組織に起こる病気の総称が、歯周病です。

歯の周りの組織が炎症を起こす「歯肉炎」と言い、それが更に進行して炎症が深部にまで及び、歯を支えている歯槽骨溶けだす「歯周炎」の2つに分けられます。

 

歯周炎まで進み、その状態のまま放っておくと、歯が抜けてしまうことも少なくありません。

成人では、歯を失うもっとも大きな原因は虫歯ではなく歯周病なのです。 

 

 

 たばこやストレスも原因に

歯周病が進行するメカニズムもわかってきました。

東京医科歯科大学大学院、医歯科学総合研究科歯周病学教授の和泉雄一歯科医師によると、歯周病のリスク因子として

 

「細菌感染」「生体の応答因子」「環境因子」の3つが考えられているそうです。 

 

歯周病も虫歯と同様、細菌による感染症です。

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細菌に感染すると、生体の防御機能が働いて白血球などが細菌を排除しようと戦い、炎症が起こります。

その際に生体反応として、サイトカインと呼ばれる生理活性物質が出て、炎症反応や免疫反応が高まり、歯周病が進行していきます。 

 

 

また、食事のバランスが悪い、間食が多い、たばこを吸う、ストレスが多いなどの生活習慣も歯周病を進行させます。 

 

この3つの因子が重なると、重症の歯周病になりやすいのです。  

口の中には500〜600種類もの細菌がいます。

 

その中で、特に歯周病変に強く関与している細菌を「歯周病原細菌」と呼び、これまでの研究で十数種類見つかっています。

 

その多くは、酸素を嫌う「グラム陰性嫌気性菌」です。

 

 

 歯垢は歯周病菌のすみか

 

これらの細菌の居場所となるのが、歯や歯肉の周囲に付着する「歯垢(プラーク)」です。

歯垢は口の中にいる細菌とその代謝物から作られた黄白色のネバネバしたかたまりで、「バイオフィルム」とも呼ばれます。

 

歯石は、歯垢が石灰化して硬くなったものです。 

  

歯垢が増えれば増えるほど歯周病原菌も増加し、歯周病が進行していくことになります。

食事をしたあとで歯磨きをしないでいると、歯垢が歯面に付着・増殖して、2〜3日で歯肉炎の兆候が出てくるとされます。 

 

この炎症が内部まで及ぶと歯を支えている歯槽骨が溶け始め、歯周炎にまで進行してしまうのです。 

 

歯周病原細菌は、菌の細胞膜自体に毒素を持っていて、それが炎症を引き起こすこと、サイトカインを介して破骨細胞を活性化させて骨を溶かすことがわかっています。 

 

歯周病の治療の基本は歯垢や歯石をとることにあります。

 

その理由は、そこが歯周病原細菌のすみかになってしまうからです。